秘密 THE TOP SECRET という映画

話の内容としては不完全燃焼な感じがあるけれどその発想は面白いかも!という映画を見ました。

 それがこちら→

www.shochiku.co.jp

 

 特殊な技術を使って殺人事件を解決していく警察官の話なのですが、話はとりあえず置いておいて、この特殊技術が面白い!!

 

この警察官が何をしているかというと、「被害者の脳に残った記憶を映像化し、迷宮入りした事件を捜査する」のです。

これ、かなりオブラートに包んで言っているのですが要するに、亡くなった被害者から脳を取り出し、そこから死ぬ前に見た視覚情報の記憶を取り出してみちゃえば犯人わかるよね、ってことです。すごくない?

この発想自体はものすごく面白い!!!ただ、悲しいけれどこの方法で記憶を再現することは今の技術では難しいでしょう。その理由について考えてみました。

 

①脳は死後形をきれいに保てずある程度時間がたったらぐちゃぐちゃになる

脳の中には神経細胞がいっぱいあって、それぞれお互いつながっています。神経細胞・ニューロンのイラスト←こんな感じのニューロンが情報を伝えたりもらったり。

このいらすとやのイラストだと下側から出てる尻尾みたいなものが骨みたいになってますね。これ、本当にあるんです。

神経細胞は電気的な活動をしてビビビと情報を伝えるのですが、水分たっぷりの脳の中で電気を素早くちゃんと伝わってるって結構不思議ですよね。

実は、電気的な活動を伝える部分にはカバー(絶縁体)がついているのです!!!そうです。そのカバーがこの白い骨みたいなものです。

そして、この白い骨みたいなものの正体は何を隠そう油なのです。

脳は外側に神経細胞の本体があって内側はこの骨みたいな油に囲まれた長い尻尾たちがのびているのです。

つまり、脳の内側はほぼ油。ほとんど油。きちんとした支えがあるわけではないのでどんどんぐちゃぐちゃになり、神経細胞の尻尾どうしの位置関係もよくわかんなくなり、最終的に形が保てないのです。

ということで死後一定時間がたった状態でこんなきちんと脳の中に記憶を保持しておくなんて難しいでしょう。

②脳が作り出す「記憶」と「脳それ自体」ってそんなに単純じゃない

 神経細胞同士が情報を送りあって、それが意識体験として景色を見たり何かを感じたりすることができると考えられています。

意識体験と脳の関係性について考えると、あれ?私の本体は脳で体はおまけ?私って何?ってわからなくなってしまいます。

これ以上考えるとよくわからなくなってしまうので短く結論だけ言いましょう。

つまり、神経細胞のつながり方のパターンとその人が感じた意識体験のこまかーい対応表みたいなものを事前に準備しておけば、後で神経細胞のつながり方を見てこの人は焼肉を食べてたのかなってことは、もしかしたら予測できるかもしれません。もしもの話だけどね。

ですが、その神経細胞のつながり方と意識体験が全人類で共通してるとは言えなくない?ということです。

まとめ

SFとか近未来とか仮想現実というか、そうゆうの面白いですよね。

今の技術ベースで考えるとなかなか難しいと思う部分は大きいけれど、1000年後くらいにまだ人類が存在していたらできていたりするのかな。

とはいえ、私は無念の死を遂げたとしても脳を覗かれるのは嫌だなあ。